獣害対策の秘密兵器!? ドローン講習会に行ってきました!
獣害対策にドローン?と思われる方もいるかもしれませんが、福知山市では過去にもカワウによる鮎の被害対策などでドローンを活用した取り組みを行ってきました。(両丹日日新聞 記事)
今回、私が操縦方法を学びに行ったのはこちらのハンティングドローン!
このドローン、メイド・イン・福知山なんです。
市内でドローン製造やドローンスクールの運営を行う ㈱アエロジャパンが京都府猟友会と共同開発した獣害対策専用のオリジナルドローンで、敷地内の自社工場で製造。今では全国の獣害対策の現場で活躍しているとのことです。
機能としては、
指向性の大音量スピーカーから猟犬の声などを流す
装備している動物駆逐用の煙火を発射 ※煙火は強力なロケット花火みたいなもの(資格が必要です)
などがあり、福知山市でもこれからシカやイノシシ、カワウなどを追い払うのに使う予定なのですが、
お値段150万円+消費税…
小心者のモチヅキ、こんな高価なものを操縦すると考えただけで手が震えてしまいます…
そこで、きちんとした知識と技術を身に着けるために「ドローン講習会」に参加しました。その様子を今回はお知らせします!
めざせ!ドローン免許取得
テレビの映像などでもおなじみとなったドローンですが、機体重量が100g以上のドローンの操縦には、認定団体による講習を受講して技能認証を取得したり、国交省に機体を登録したりと様々な手続きが必要です。
ドローンの講習会場は「ほんまにここであってるん??」と不安になるような細い道を抜けて、ずんずん山の奥に入り込んだ場所。
開けた場所に綺麗な芝生の広いドローンポート(ドローンの飛行練習場)が広がっています!
不安と緊張を抱えたまま、会場入りしたモチヅキ。
カリキュラム上は初日はガッツリ座学!
…の予定でしたが、天気の都合もあり、急遽初日からフライトの実戦をすることに。インストラクターの方いわく「習うより慣れろ!」とのこと。
10年前、自動車のMT免許取得にて右も左も分からないまま教習に挑み、わずか1時間の間に24回もエンストした苦い思い出が蘇ります…
流石にいきなり150万円の大型ハンティングドローンを操縦するのではなく、練習フライトではこちらのDJI社製の「Mavic Air2」というコンパクトなドローンを使いました。(それでもお値段15万円程度とのこと…お高い…)
まずはインストラクターの方がお手本で実演。
実に簡単そうに飛ばしています。
でも、なんでもそうですが、上手い人ほど簡単そうにするんですよね…
操作方法のレクチャーもそこそこに、モチヅキもビビり散らかしながら初フライト!
ブーンという小気味いい音を出しながらフワッと浮上するドローン。
ドローンは英語でオスの蜂という意味らしいですが、まさに飛行音はハチの羽音そっくり!
ミツバチみたいなかわいいものではなく、でっかいクマバチやスズメバチみたいな音ですが…
インストラクターの方の「名前を付けると愛着がわいて丁寧に操作できるようになるよ!」という本気なのか冗談なのか分からないトークを真に受けたモチヅキ。
敬意を込めて「ドローンさん」と呼ばせていただくことにしました。
(以下、「ドローン」という。)
操作した通りに動いてくれるめちゃくちゃ素直なドローン。
なので、変な動きをした場合は、風の影響などを除けば、それはつまり操縦者のミスということです…
まずは基本の前進後退の動き! キホンのキですが、これがなかなか難しい。
…というのも、目の前をまっすぐ飛んでいくドローンは距離が離れると、動いているのか止まっているのか分かりづらいんです…
遠近感や立体感、奥行きなどを判断する能力を「深視力」というそうですが、もともとモチヅキはこの深視力に不安を抱えています。
鉄砲の狩猟免許である「第1種銃猟免許」を取得する際にもこの深視力を測るテストがあるのですが、距離の目測ってめちゃくちゃ難しいんですよね…動いているものは特に。
15mほど先のコーンの上にピタリと止めたい。
でも自分ではビタ止めしたつもりでも、数十㎝~2mぐらいの誤差があるんです…。
卒業試験ではコーンから50㎝以内に停止させないと減点されてしまうとのことなので、この距離感を感覚に刻んでいく作業に苦戦しました。
ドローンの操縦に必要な技能認定を受けるためには「10時間以上」のフライト実習が必須。
はじめは恐る恐る動かしていたドローン操作も、練習を重ねるうちに徐々に慣れて滑らかに動くようになってきました。
どうやらプロポ(送信機:ドローンのコントローラー)の十字スティックをゆっくり繊細に動かすことがコツみたいです。
実技だけでなく、もちろん座学もあります!
ドローンを安全に飛行させるためのルールや関係法令等についてはすぐに理解できたつもりですが、天気図の読み方など大昔に理科の授業でやったような内容や、ドローンがなぜ飛ぶのか?といった航空力学のさわりの部分についても勉強します。
ゴリゴリ文系の道を歩んできたモチヅキにとってはキツかったですが、ペーパーテストで落ちるわけにはいきません。家に帰ってからも復習のためにテキストを読み込んでお勉強しました。
講習は3日間。
実技講習の10時間を経てやっとドローン操作が楽しいと思えるようになったころ、いよいよ最終の実技試験を受けることに…
緊張で手が震える→手が震えたらドローンも揺れる→揺れたら減点されてしまう→焦りで手が震えるという負の無限ループで、気づいたらあっという間に試験が終わっていました(笑)
果たして結果は……?
100点満点中80点で合格!(70点以上が合格ラインとのことでした)
ついに本命のハンティングドローンを操縦
感慨に浸っている間もなく、立て続けにこの後は本命のハンティングドローンを用いた訓練が待っています。
1基150万円以上のモノを自分の責任で空に飛ばすというプレッシャー…
これまでの小型ドローンとは比べ物にならない大きなプロペラの風切り音…
機体が大きくなってもドローンの操作方法は基本的に同じ!
デカい分小回りが利きませんが、ゆっくり慎重に(ビビりながら)操作したら思い通り動いてくれる!
無事、ハンティングドローン操縦の技能認証を得ることができました!
インストラクターの方いわく「ドローンの操作中に一番大切なのはパニックにならないこと」だそうです。
人間がパニックになるのは想定外の事が起きた時。
山などの遮蔽物の陰に入って目視できなくなってしまったらどうするか?
通信エラーなどで急に操作ができなくなったらどうするか?
地図、飛行経路、距離、高度やバッテリー残量などが示されたモニターが消えてしまった場合はどうするか?
そういったことを常にイメトレして、「想定外」の事態をなるべく少なくしておくことが重要とのことです。
…こちら、ドローンの操縦以外にも通じる大切な考え方ですね。
免許取得後は…
「ドローンの操縦は車の運転と同じで、身体が覚えたら忘れないよ!」とインストラクターの方は仰ってましたが、身体が操作方法を覚えるまでにはもっとたくさん練習しなければなりません…
ということで、家で操作方法を練習できるように玩具のドローン(重量100g以下のトイドローン)をポチりました。
リビングで飛ばしてみたところ、エアコンの風に煽られてバランスを崩して墜落。プロペラが吹っ飛びました…
これはちょっと…自信を付けるために買ったのに先行きが不安です……
本物は絶対に墜落させられないので、こっそり家で練習しつつ、色んな状況をイメージトレーニングして今後の鳥獣害対策に積極的に活用していけたらと思います!
▼広報ふくちやま2023年11月号は「クマ特集」です
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