朝4時半起床。公務員兼猟師のモーニングルーティン
こちらがある日のタイムスケジュールです。
まず朝は4時半に起床!(ちなみに就寝は夜10時)
なぜこんな早寝早起き生活をしているのか? といいますと、健康のためではありません。
私は獣害対策専門の市役所職員ですが、それとは別に、プライベートでは市から認定された「有害鳥獣 駆除隊員」として、毎朝設置しているわなの見回りを行っています。
福知山市は市域の76%程が森林という非常に自然豊かな地域。
その分、ニホンジカやイノシシなどの野生動物も多く生息しています。
それらが田畑に侵入して、農家さんが作っているお米や野菜を食べてしまうことで、毎年多くの農作物被害が発生しています。
彼らも生きるために食べなくてはならないので、しょうがない部分もあります。ただ収穫直前の稲や野菜を食べられてしまうのは、農家さんにとってめちゃくちゃショックが大きいです…
獣害というのは、地域にとって深刻な問題です。
そこで悔しい思いをした農家さんから、狩猟免許を所持していて、市から有害鳥獣捕獲の許可を得ている私のような「駆除隊員」に対して「わなで捕獲してくれ!」という要請があります。
現在、福知山市の「駆除隊員」は215名ほど。
モチヅキも微力ながら、農作物被害軽減を通した地域貢献の一環として、近所にわなを設置しています。
…と簡単に言いましたが、多くの方にとっては馴染みがないと思いますので、ざっくりどんなことをしているのかを紹介します!
わなにも色々な種類がありますが、モチヅキは主にこの「くくりわな」を用いてシカやイノシシを捕獲しています。
くくりわなは獣に気づかれないように獣道に仕掛けます。
丸く切ってある木の部分を踏んで、わなに獣の体重がかかると、バネでワイヤーが締まり、文字通りシカ・イノシシの足をくくって捕獲するという仕組みです。
大事なのは獣道の見極め。
被害のあった我が家の家庭菜園から足跡を追いかけて裏山(徒歩5秒)に行くと、ありましたありました新しい獣道が…
ここにわなを設置します。
わなを設置した者の責務として、毎日見回りを行わなければなりません。
これは目的の動物以外が誤って捕獲されていないか?ということや、動物福祉の観点から必要なことなのですが、土砂降りの日も、夏の暑い日も、毎日見回りを行うのは地味に大変です…
一番新しく、痕跡の濃い(よく使っている)獣道を見つけ出し、ここに脚を置くであろうという場所を絞ってわなを設置する。
言葉にすると簡単ですが、コツを掴むまではなかなかこれが難しい。
適当にわなを設置しても捕獲効率は低いです。
「自分がシカだったらどう山を歩くか?」というのを想像して、広大な山の中で直径12㎝のわなのど真ん中に、ピンポイントに脚を入れてもらう確率を少しでも上げる努力をするというところが、ハンターとしての腕の見せ所と言ったところでしょうか。
私のようなへっぽこハンターではわなの設置から捕獲まで1~2週間かかったり、結局獲れないこともままありますが、凄腕ハンターともなると、設置した翌日か翌々日には捕獲してしまいます。
不思議なもので、用事がある日や、あんまり時間がない日。
つまり、内心ではあんまり獲れてほしくない時に限って、獲物がかかっていることが多い気がします…こういうのをマーフィーの法則とでも言うのでしょうか?
出勤時間は決まっているので、朝イチの見回りで獲物を確認した場合は、時間との勝負になります。
(何度か遅刻しかけています。ギリギリで間に合いましたが…)
幸か不幸か今日は獲れていなかったので、ダッシュで帰宅し、朝ごはんを食べて「農道のフェラーリ」とも呼ばれる愛車の軽トラで出勤!
…と、思いのほか出勤前の朝活の話が長くなってしまいましたので、今回はこの辺で。
次回は出勤後、福知山市内の小学校と中学校にお伺いして、獣害対策の出前授業をさせていただいたお話です!
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