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福知山のチャレンジをみんなで応援! コミュニティファンド関連イベントを渋谷キューズで開催

今、この記事を読み始めてくれている皆さん。きっと「福知山ってどんなところなんだろう」と興味を持ってくれているのではないでしょうか。
例えば「今度旅行で訪れてみたい」「故郷が福知山だ」「いつか田舎暮らしをしてみたい」などなど。興味のベクトルはきっとそれぞれ。
シリーズ「あなたと、福知山と、」では、そんな方にぴったりな、ゆるやかに地域と関われる取組をご紹介します。

京都府福知山市では、共感する市民や全国の人から寄附で応援を募る「福知山市コミュニティファンド」をスタートしました。

寄附金を、ふるさと納税制度を活用して行う「ガバメントクラウドファンディング®(以下:GCF)」を通じて募集します。

まずは「こども×音楽コンサート」と「棚田×新しいなりわい」の2つのプロジェクトが、GCFで寄附を募ることになりました。

募集開始に伴い、2024年11月13日に東京・SHIBUYA QWS(以下:渋谷キューズ)にてイベント「地域のチャレンジをみんなで支えるコミュニティファンド」を開催しました。

渋谷キューズは、年齢や属性を問わず多様な人たちが交流し、アイデアや新規事業を生み出すことを目的とした共創施設。社会課題に関心のある多様な人たちが集っています。

イベントでは2つのプロジェクトを深掘りして紹介し、全国に向けて寄附の呼びかけと渋谷キューズの利用者からもクラウドファンディングを盛り上げるためのアイデアを募りました。

市民が市民を助けるまちへ

イベントの冒頭は参加者に自己紹介をしていただいたり、福知山にまつわるクイズなどを通して、まちの魅力や取組について知っていただく時間を設けました。

現在、福知山市が力を入れているのは「市民と協働して行うまちづくり」。地域の課題解決に向けたチャレンジを行う団体・プロジェクトを応援する仕組みとして福知山市版コミュニティファンドの構築をめざしており、その一環として、ふるさと納税型のクラウドファンディングを活用しています。

コミュニティファンドは、市民や企業からの寄附によって基金を作り、そこから地域の課題解決や新たなチャレンジに取り組む活動に対して資金を支援する仕組みです。

「今回のGCFは、チャレンジに対する資金支援だけではなく、GCFを通じて市外の人にも福知山の取組を知っていただき、寄附という形で福知山と関わりを持ってほしいと考えています。さまざまな人が関わりをもつことで、新しいアイデアをもたらし、人とのつながりが増えていくことを期待しています」(福知山市役所・倉寿和)

寄附を募る2つのプロジェクト

続いて、GCFを通じて寄附を呼びかけている2つのプロジェクトについて説明を行いました。会場と福知山をオンラインでつないで、プロジェクトの代表者からご説明いただきました。

「音楽を通して、こどもたちの無限の可能性を応援したい!」(オンリーワンプロジェクト実行委員会・足立 直敬さん)

オンリーワンプロジェクト実行委員会の足立さんは、東京でピアニストとして活躍したのち、福知山へUターン。自身が東京で身につけた経験、人のつながりを活かして、福知山の子どもたちにもっと音楽に触れる機会をつくりたいという想いから活動をスタートさせました。

「スポーツの分野は、試合や大会を通じて交流する機会が多くありますが、音楽や芸術分野ではそのような機会が少ないです。福知山市においても音楽教室単位での発表会などはありますが、その垣根を超えて交流をしたり発表する場があまりありません」(足立さん)

そこで足立さんは、福知山市内の小学生を対象に、音楽や芸術分野に特化した学ぶ場、交流する場、発表の場を提供する「オンリーワンプロジェクト」を2013年に立ち上げました。その活動の1つが毎年12月に開催される「Kids Concert(キッズコンサート)」です。キッズコンサートは発表会ではなく、子どもたちが主役のコンサート。毎年80人ほどが集まり、9月から本番に向けて、合唱やダンス、演奏の練習をしています。

コンサートでは、地元のミュージシャンによるサポート演奏や本格的な照明演出により、プロの音楽家さながらの環境で音楽を奏でる体験をすることができます。プロの歌手と子どもたちによるコラボ合唱もあり、ステージに立つために努力することで得られる達成感や、プロの歌手とともに歌い観客の前で演奏するという経験が、子どもたちの自信につながってほしいとの思いから、毎年コンサートを開催しています。

「このコンサートで得た経験が、子どもたちにとって将来さまざまな分野でチャレンジする際のヒントや活力になってほしいという想いでこの活動を続けています。子どもの頃から文化や芸術など、さまざまな分野で活躍できる場を設け、福知山から巣立った子どもたちが戻って来たくなるまちにしていきたいですね」(足立さん)

今回のクラウドファンディングでは、2025年のキッズコンサートの開催費用のための資金を集めます。これまでコンサートの開催費用は、参加費や入場料の他に地元企業からの協賛金や、京都府からの助成金によって運営してきました。しかし、この先も継続していくためには活動や実施する想いを多くの人に知ってもらい、協力していただく必要があります。

「寄附を通じて活動や実施する想いを多くの人に知ってもらい、こどもたちの可能性を地域の皆さんと一緒に応援したいと思っています。ぜひご協力ください」(足立さん)

プロジェクト①「音楽を通して、こどもたちの無限の可能性を応援したい!」


「住民22人の地域を千年つづく里へ!毛原の棚田で新しいなりわいづくり」(毛原の棚田ワンダービレッジプロジェクト・櫻井一好さん)

京都府福知山市の毛原地区には、「日本の棚田百選」に選ばれた美しい約600枚の棚田があり、日本の原風景が残っています。今回プロジェクトについてお話しいただいた櫻井さんは、毛原地区の自治会長であり、30年前からまちの人たちと協力して地域づくりの活動を行ってきました。

1990年代から「棚田農業体験ツアー」や「棚田オーナー制度」など、毛原の棚田を保全する地域ぐるみの企画を開始。高齢化や人口減少により棚田の保全が難しくなり、まちの外の人にも関わってもらいながら、棚田、そして美しい毛原の景観を守っていこうと考えたのです。

このような取組を行ってきた結果、米づくりに参加する人や毛原を応援したい人など約500人が関わるようになり、うち5組が移住しました。

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しかし今後、過疎化と高齢化がさらに進むと棚田の耕作放棄地が増えてしまいます。そこで今回GCFに挑戦し、「新しいなりわい(生業)づくり」、お米や特産品と交換できる「お米デジタル通貨の発行」の2つの取組を行うことにしました。

「新しいなりわいづくり」は、高齢でも栽培できる新たな作物を見つけること。耕作放棄地を活かして新たな作物を育て、その作物を商品化して新たな収入源とします。さらにその商品は、自動販売システム(無人販売所)によって販売したいと考えています。

「お米デジタル通貨」は、毛原で地域の困りごと(獣害対策、草刈り・収穫手伝い等)を手伝ってくれた方へ渡す地域通貨です。

お米デジタル通貨は、お米などの毛原の特産品や作物を活用した商品と交換することができます。現在、福知山公立大学情報学部と連携して開発・実証実験を行っており、GCFの寄附金は開発費用に当てられます。

「毛原は昔から物々交換、調味料の貸し借り、田植えをお互いに手伝うという助け合いを行ってきた地域です。この大事にしてきた風習を活かせる仕組みづくりを行っています。ぜひ一度、皆さんも毛原に遊びに来てほしいですね」(櫻井さん)

プロジェクト②「住民22人の地域を千年つづく里へ!【毛原の棚田】で新しいなりわいづくり」


それぞれのプロジェクトについて説明を聞いた後、参加者から質問タイム。「各プロジェクトを周知するためにどのような活動を行っていますか」「GCFをスタートするにあたって、福知山市民以外の人たちとどのように交流し、関わりを増やしていますか」
などの質問が上がりました。

足立さんは、
「草の根活動的を地道にやって来た結果、関わる人、応援してくれる人が少しずつ増えて今のような規模になりました」
櫻井さんは、
「田植え体験が新聞、テレビで紹介され、興味を持つ人が増えました。参加してくれる方がまた新しいつながりをつくってくれたり、新しいアイデアを持ち込んでくれています」
など、参加者の質問に丁寧に答えていました。

ワークショップ「地域のチャレンジを応援するには?」

最後に参加者全員で「地域のチャレンジを応援するには?」というテーマで意見交換を行いました。

まずは福知山市が取り組むGCFについて話し合いました。

「こども×音楽コンサート」について、
「参加している子どもたちにも寄附制度について認識をしてもらうことで、お金の流れを知る教育や寄附に対する意識の変化にもつながるのではないか」
という意見や、
「棚田×新しいなりわい」については、
「30年前から地域外と関わりを持ち続けているのがすごい」
という感想も。

また、以前から取り組んでいるプロジェクトだけでなく、GCFならではの取組があると面白いのではないかという意見も出ました。

GCFを成功させる方法としては、全国に発信するのであれば、もっと情報発信について工夫すると良いのではという意見が多く、

「福知山市という大きいくくりで発信するより、個人にスポットライトを当て、濃厚な情報を発信すると良いのでは」
「地域の横のつながりを活かして情報を伝播させていけると効果的だと思う」

など、どんどんディスカッションが深まっていきました。

さらにGCFの寄附者が充足感を得るためにも、活動報告や寄附者が参加できるイベントなどを実施し、「寄附して終わり」ではない関係性を築ける仕組みづくりが大切だという意見も。

今年度が初めてとなるGCFですが、本イベントで参加者の皆さんから多角的な視点からの意見、アイデアをいただくことができたことで、さらに良いものに進化していきそうです。

新たな取組にチャレンジする2つのプロジェクトのお申し込みは12月31日まで! 気になる方はぜひ、福知山市のガバメントクラウドファンディング・プロジェクトページをご覧ください。

寄附の申し込みについて
ふるさとチョイス「GCF®」のプロジェクトページにおいて寄附を受け付けています。

プロジェクト①「音楽を通して、こどもたちの無限の可能性を応援したい!」
https://www.furusato-tax.jp/gcf/3382
プロジェクト②「住民22人の地域を千年つづく里へ!【毛原の棚田】で新しいなりわいづくり」
https://www.furusato-tax.jp/gcf/3381

<個人の方>
上記の各ページから寄附を受け付けます。一定の限度額内で寄附を行うと、2,000円を超える部分について、所得税や住民税の控除・還付が受けられます。福知山市内に在住の方も、本プロジェクトに寄附することができ、控除が受けられます。

<企業等の法人>
福知山市 地域振興部 まちづくり推進課(Tel. 0773-24-9174/お問合せフォームは福知山市HP末尾)が窓口となって寄附を受け付けます。自治体への寄附として、損金に算入することができます。※企業版ふるさと納税制度ではありませんので、ご了承ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます! ほんのちょっとでも、あなたの福知山スキ度が上がっていたらうれしいです!また読みに来てください!