誰一人取り残さない防災の実現へ –ドローンを用いて孤立集落への迅速な支援を–
こんにちは、福知山市役所 危機管理室のモリヤマです。早くもnote2回目の登場です。(1回目はこちら)
3月に入り、社会人1年目の終わりに差し掛かり、1年経つのは早いな~と感じる今日この頃でございます。
突然ですが、皆さんはドローンを知っていますか?
無線で遠隔操作できる小型の無人航空機のことで、空撮、農薬・肥料散布、物流や点検など、さまざまな用途で使用されています。
そんなドローンを災害時に活用できないかと考え、福知山市ではある協定を結びました。
災害時にドローンを活用できるように
2023年3月9日(木)、福知山市と一般社団法人無人航空機操縦士養成協会(DPTA)は、地震、風水害、豪雪やその他の災害が発生した場合に、無人航空機(ドローン)を活用して、孤立集落への救援物資の輸送や被害状況調査を実施するため「災害時等における無人航空機を活用した物資輸送等に関する協定」を締結しました。
なぜ協定を結ぶのか
京都府北部では過去の災害で浸水や土砂災害、大雪での倒木による道路遮断で、集落が孤立状態となった事例があります。
特に福知山市は土砂災害の危険性がある場所や山間部に集落が点在しており、孤立の可能性が高い集落が多くあります。
過去に土砂災害や倒木によって集落が孤立、また停電が発生した事例がありましたが、規模によっては土砂や倒木の撤去作業に多くの時間が必要であったため、迅速な支援が行えないこともありました。
そんな中、DPTAさんから災害時のドローン活用に関するお話をいただきました。
災害時にドローンを活用した協定は多くの機関で締結されていますが、そのほとんどが映像伝送や獣害対策が主な内容です。
しかし「物資輸送が可能なドローンを開発中」ということでしたので、食糧、飲料水や医薬品等の救援物資の輸送や被害状況の調査を迅速に行い、孤立集落への支援に活用できるのではと考え、協定締結に至りました。
今回の協定では映像伝送だけでなく物資輸送を含んだ内容となっています。
災害時にドローンを活用するメリット
①迅速な対応ができる
有人航空機の場合は出動までの準備に時間がかかりますが、ドローンであれば飛行までの準備が少ないため災害発生直後の初動として迅速に対応することができます。
②環境に左右されずに利用できる
有人航空機は離着陸に広いスペースを要するため、災害発生時に早急に対応ができない可能性があります。その反面、ドローンの場合、狭いスペースでも離着陸が可能なため、災害時でも環境に左右されずに利用することができます。
③詳細情報を取得できる
有人航空機に比べてドローンは機体が小さく小回りが利きやすいため、立ち入ることが困難な場合でも被災地周辺の狭い範囲の詳細な情報を確認することができます。
災害時の物資輸送を想定したデモ飛行
締結式終了後、福知山市役所近くの広場で災害時の物資輸送を想定したデモ飛行を行いました。今回のデモ飛行で使用したのは「UD616」という機体で、最大20kgの物資を運搬することができます。機体重量18kg、最大飛行距離1km、最大飛行時間20分という性能です。機体の大きさは写真のようになっています。
今回のデモ飛行で使用した機体以外にも、世界的にも珍しい最大40kgの物資を運搬できる機体も開発中で、用途に応じて様々なドローンを使用することができます。
誰一人取り残さない防災の実現へ
過去の災害では、土砂を撤去し孤立を解消するという選択肢しかありませんでした。
しかし、今回の協定締結によってドローンが活用できるという選択肢が増えたことで、これまで課題となっていた孤立集落での被害情報の収集や、住民のニーズに応じた食料や医薬品などの支援物資の輸送が可能になり、【誰一人取り残さない防災】の実現にまた一歩近づきました。
ドローンを活用した迅速な支援が、少しでも災害時の孤立集落対策になればと思います。
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