水害を経験した新入職員が企画 「1泊2日車中泊避難」イベント
こんにちは、福知山市役所 危機管理室のモリヤマです。
初めましての方が多いので、自己紹介からさせてください。
福知山市役所職員になろうと思ったきっかけ
地元の高校を卒業後、フィールドワークを通じて地域と関われることに魅力を感じ、福知山公立大学に入学しました。
キャンパスライフ楽しむぞ!と思っていましたが、1回生のときに平成30年の豪雨災害を経験。普段歩いている道路が水没し、豪雨で一変したまちを見て、初めて大雨が怖くなり、水害の恐ろしさを感じました。
この災害をきっかけに防災に興味を持ち、消防防災サークル「京都学生FAST」に所属し、イベントの開催など防災啓発活動を行ってきました。
この経験を生かし、行政職員としても防災啓発活動に携わりたいという理由から、大学時代からも関わりのある福知山市に入庁しました。
今回は、そんな私が初めて企画した活動についてお話しさせてください!
「車中泊避難」知っていますか?
皆さんは【車中泊避難】って聞いたことありますか?
コロナ禍で感染リスクを避けるために、避難場所で避難者の分散化を図る必要があることから全国的にも需要が高まっており、福知山市で発生した過去の災害でも、大型商業施設の駐車場への車中泊避難が多くみられました。
1泊2日の体験イベントを開催しました
2022年11月、参加者に避難方法の1つとして「車中泊避難」を認識してもらうことを目的に、「車中泊体験イベント」を市役所に入って初めて企画・開催しました。
イベントは、実際の避難場所であるイオン福知山店で開催し、母校である福知山公立大学の学生にも企画段階から協力してもらいました!
どんな想いで企画したかというと、防災をもっと気軽に、身近に感じてほしいという想いが一番強かったです。
そのために、京都FM丹波放送公式VTuberぼたんによるイベント進行、炊き出し体験やドライブインシアターなど車中泊体験以外でも楽しめるようなものを用意。
本来の防災訓練とはまた違った、親しみを持ってもらえるようなプログラムになるよう意識しました。
イベント当日は親子で楽しく料理をしている場面も見られ、私自身も楽しみながら司会をすることができました!
参加者の声
「泊まり込みのイベントって…夜は危なくないの?」と思った方、ご安心ください。
参加者の方が安全に、安心してイベントに参加できるよう、職員はシフトを組み、徹夜で見張りをしました!
災害が起こったときは、職員が交代しながら24時間体制で、災害対応をしているので、そこで培ったチームワークをこのイベントでも生かせて良かったです!
「車中泊避難の心得」まとめ
阪神淡路大震災から28年が経ち、改めて防災意識を高めてほしいという想いから、福知山市公式YouTubeにて「車中泊避難の心得」動画を公開しました。
この動画は前述したイベントを基に作成しています。
ここで簡単に、皆さまにもご紹介します。
▼車中泊避難のメリット
▼車中泊避難のデメリット
▼車中泊の注意点(6点)
① 道路に水が溢れているときや、夜など周りが暗いときは、自動車で移動しない
②エコノミークラス症候群に注意する
適度に体を動かし、こまめに水分を補給する。また、できるだけフラットな状態で寝る。
③エンジンをかけたままにしない
エンジンの排気ガスが車内に入り、一酸化炭素中毒になる恐れがあるので、車中泊をする際はエンジンを切っておく。
④車の施錠を必ず行う
車への侵入や盗難を防止する。
⑤プライバシー管理を徹底する
カーテンやシェード等を使い、外から車内の様子が見えなくする。
⑥季節ごとに車内環境への対策をする
夏の場合は扇風機やポータブルクーラー、冬の場合は毛布や湯たんぽを使用する。
避難の際の参考にしていただけるような内容になっていますので、是非ご覧ください。少しでも皆さんの力になれば嬉しいです!
今後の展望
私の目標は、防災啓発を通して、災害に危機意識を持ち、住民自らが避難し、逃げ遅れをなくすことです。
「防災」と聞くと、大切だとわかっていても「お堅い」「難しい」というイメージがあり、考えることを後回しにしてしまう方も多いかと思います。普段からの備えがないと、何かあった時に対応ができません。
ですので、私はもっと防災に対して親しみを持ってほしい、身近に感じてほしいと思っていますし、今後も楽しく防災について学べるような啓発活動に取り組みたいと思います!
今回のようなイベントをきっかけとして、防災について考えていただき、自分の身を守り、周囲の人と協力して助け合う意識が高まれば嬉しいです。
そして、住民の皆さんとともに災害に強いまちづくりを行っていきたいです。