見出し画像

全国にファンがいる爬虫類ケージ職人と動物たちの自然に囲まれた理想的な田舎暮らし【福知山移住者インタビュー/雲原地区】

新型コロナウイルスの影響をきっかけに、働き方や暮らし方が多様化している近年。自らの生き方を見つめ直し、「移住」という選択をする人も増えています。福知山市でも、さまざまなバックグラウンドを持つ方が移住されています。

「福知山移住者インタビュー」では、福知山へ移住した方々に、暮らし、しごと、人とのつながりなど、どのようなきっかけで福知山を移住先に選んだのかをお聞きし、「移住者から見る福知山の魅力」を紐解いていきます。

今回は、滋賀県高島市から福知山市雲原地区に移住された江口 弘芝(ひろし)さんにお話を伺いました。

【移住者プロフィール】江口 弘芝さん
京都府京都市出身。トカゲの魅力にはまったことをきっかけに、爬虫類や両生類など数多くの動物を飼育するように。ガラス施工業を行うかたわら、動物取扱責任者の資格を取得し、妻の千世さんとともに爬虫類のブリーダーとして、繁殖や輸入した個体の販売などを行ってきた。2014年に爬虫類、両生類などのオリジナルケージを製作販売する会社「龍匠(りゅうしょう)」を創業。全国に江口さんのケージのファンがいる。2022年7月、愛する動物たちとともに福知山市へ移住。

爬虫類のためのケージを制作

江口さんの家には、ヘビやトカゲ、大きな亀やミーアキャット、犬など個性豊かな約30種100匹の動物が暮らしています。飼育を始めるきっかけになったのは、フトアゴヒゲトカゲ。

「表情もかわいいし、育てていくうちに人の言うこともわかるようになるんですよ。最初はただ好きで飼っていたんですが、いつのまにか仕事になっちゃった。つがいで飼うと子どもが生まれてどんどん増えて、ブリーダーを始めました」

数が増えるにつれ、少し狭くなってきた動物たちの住み処。もっと快適に過ごしてほしいという想いから、ガラス加工の経験を活かして、ケージを作り始めた江口さん。

「同じ種類の爬虫類でも体格や性格が違うので、好む環境は変わるんです。荒っぽいとか優しいとか、登るのが好きな子もいれば、土の中に潜りたい子もいる。環境が合わないと、餌を食べなくなって死んじゃうこともあるので、住む環境はすごく大事なんです」

そんな愛情とこだわりが詰まったケージを見たブリーダーの顧客から「つくってほしい」と依頼を受け、受注制作を引き受けるようになります。そのうち口コミやSNSで爬虫類ファンに広がり、全国から注文が来るように。現在はブリーダー業は休止し、オーダーメイドのケージの制作に注力しています。

空き家情報バンクで見つけた一軒家

ケージの注文が増えてきたこと、動物たちに最適な場所を提供したいということから、もっと自然が近く広い場所への引っ越しを考えるようになった江口さん夫妻。最初は、福知山より北のエリアに住むことを検討していたそう。

「この辺りに住む知人から空き家バンクの話を教えてもらって。仕事で何度も来たことがあって馴染みもあるし、予算内で広い家に住めるなら移住してもいいかなと」

重要視していたのは、ケージ制作のスペースが確保できるかどうか。調べているうちに、福知山の空き家情報バンクで倉庫付きの物件を見つけました。

「もともと畳屋さんだった物件で、お店の横に作業場になりそうな倉庫もあったんです。初めて見たとき、動物たちをどこに住まわせようか、どうやって作業しようかなど具体的に構想が湧いてワクワクしました」

しかし、その物件はすでに2組の方が見学を希望されていたため、交渉権は3番目。ほかの物件を探すうちに福知山のことも気に入り、ここに住みたいという気持ちが強くなっていきました。

旧北陵小学校前から眺める雲原の景色

「福知山はまち全体の雰囲気が明るいんですよ。市街地に行けば何でもあるし、生活に困ることもない。雲原は自然が豊かで、家の後ろにある川には、イモリやサワガニも住んでいます。家族が増えたみたいで楽しいんですよ」

家のすぐ裏には川が流れている

粘り強く待つ間に希望者が辞退し、江口さんはこの物件を購入できることになりました。2022年7月に福知山市へ移住。雲原地区での暮らしがスタートしました。

住人とのつながりを大切に

みんなの水車広場にある北陵うまいもん市「雲原店」の前で、雲原に住む糸井さん(左)と

移住後は古民家を改修し、残っている家財道具の片付け、隙間風や防寒対策を行いながら住環境を整備しました。それと同時にたくさんの動物と一緒に引っ越すことになるので、住む前には近隣の住民の方に説明をしてまわったのだそう。

「ヘビやトカゲを飼ってることを知らなかったら不安に思う人もいると思い、まずは自治会長さんに爬虫類を飼育していること、自分の仕事などについて説明させていただきました。あとはそれぞれの動物の特徴なども書いた冊子を作って回覧板でまわしたり、家の窓に張り紙をしたり。交番にも行って、自分の仕事や動物との暮らしについても伝えておきました」

龍匠さんの前を通るとミーアキャットが挨拶してくれることも

移住前から住民との丁寧なコミュニケーションを重ねたことで江口さんへの理解が深まり、今では動物たちに差し入れをしてくれる人もいるそうです。

「もちろん動物が苦手だという方もいるんですけど、そう言いながらたまに動物たちに会いに来てくれるんですよ。葉っぱの野菜とか規格外のジャガイモとか、鹿肉を分けてくれる人もいます。藁は動物たちの寝床になるので助かっています」

差し入れは無農薬でつくられている野菜も多く、江口家の動物たちは、どんどん健康で、グルメになっているのだとか。特に高齢の動物が元気になっているそうで、「雲原の自然に囲まれたストレスフリーな環境で人にとっても動物にとっても、心地よい暮らしができている」と話す江口さん。

将来的には、雲原地区の魅力をもっとたくさんの方に知ってもらうため、耕作放棄地になっている場所を活用して、ドッグランをつくりたいという夢も持っているそうです。

「でも一番大切なのは、この雲原の自然環境を壊さないこと。自然環境を保ちながら、動物たちがもっと豊かに過ごせる場所をつくれたらいいですね」

江口さんが思い描いていたとおり、動物たちの健康にも良い影響を与え、さらに住人の方々とのつながりもうまれ、充実した暮らしが福知山で実現しています。

記事を読んで福知山での暮らしや農業に興味を持った方はぜひ、「福知山暮らし体感ツアー」にご参加ください。

参加者の方の希望に沿って、その地域に暮らす移住者や地元の方からお話を聞いたり、移住についての不安や疑問などを市の職員に質問していただくなど、福知山の暮らしをもっと深く知ることができますよ。

福知山暮らし体感ツアー
日 時:参加者と調整
内 容:移住するにあたって知りたいこと、移住する際の希望(①子育て②農のある暮らし③まちなか暮らし)などを参考に、市職員が福知山市をご案内します。
参加料:無料(福知山までの交通費、食事代・体験料などは自己負担となります)
▶︎福知山暮らし体感ツアーのお申込みはこちらから

【移住促進ウェブサイト「FUKUFUKU LIFE」】 
移住に関する詳しい情報は、下記サイトも併せてご確認ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます! ほんのちょっとでも、あなたの福知山スキ度が上がっていたらうれしいです!また読みに来てください!